アルバイトをやる気にさせる、時給自己申告制とは?
こんにちは、mio(mio (@miolog_) )です。
「アルバイトのやる気がなくて困っている」
「アルバイトがすぐやめて困っている」
アルバイトを雇っている飲食店なら、多い悩みだと思います。
教育方法については、こちらの過去記事を参考にしてみてください。
今回は周りの社員に何度もバカにされながらも社長を説得し、ようやく導入することに成功した「時給自己申告制」について紹介していこうと思います。
自分でお店を経営している方や、アルバイト育成に力を入れているお店に、ぜひ真似して導入してほしい制度です。
時給自己申告制とは?
その名のとおり、アルバイトが自分の時給を自分で決めることのできる制度です。
わたしの働くお店では1000〜1700円まで50円刻みで、アルバイト自らが時給を決められるようになっています。
すごく危険な行為に感じますよね?
だって時給は高ければ高い方が良いに決まってますから、全員が1700円と言い出したらどうするんだろう?と思われる方も多いと思います。
時給の決め方は?
今月から時給1700円でお願いします。
実際にこう言われた場合どうするのか、と思われる方も多いと思います。
答えはOKです。
このアルバイトは実際に今月から、時給が1700円になります。
ホールリーダーや厨房リーダー、アルバイトリーダーなど、アルバイトのポジションによって申請できる時給に決まりはありますが、基本は自己申告通りの時給で働くことができます。
なら全員時給1700円を希望するんじゃない?と思われると思いますが、実際は時給1000円〜1400円までのアルバイトが約7割を占めています。
- 会社を納得させることができる理由
- 意識したこと、これから意識すること
アルバイトは時給を申請する際の面談で、この2つの項目に答える必要があります。
この項目にしっかり答えることができたら、本当はどうであれ自分の時給を上げることができるのです。
「真意は問わない」理由は?
接客スキルも高く、お客様からの評判も良いです。今までは、お客様に楽しく食事をしてもらうことを意識していました。時給が上がることで、今までの接客とプラスしてレジ閉めもできるようになります。なので今月から、時給を1700円にしてください。
アルバイトにそう言われたとしたら、そのアルバイトの在籍している店舗の店長や社員に発言の真意を確認して、全員が納得したら時給を上げることができると思われる方も多いと思います。
わたしの会社では、そうではありません。
実際は「時給が変わる段階では」店長も社員も納得していない状態で、時給が1700円になったアルバイトも大勢います。
この制度ができた最初の1ヶ月は、ほとんどのアルバイトが自分の申請できる時給の最高額を申請し、多くのアルバイトが今以上の時給で働いていました。
こちらの判断で、時給を下げたアルバイトは大勢います。
どうすれば自分の時給を下げられることなく、このままの時給で働き続けることができるのか。
この時給を納得してもらうためには、どうすればいいのか。
「自らが考え、生み出し、行動し、結果を出す」
これが、この時給自己申告制を導入した一番の目的だったのです。
自己申告することで起きる変化
実際に自己申告することで、自分の時給を上げることに成功したアルバイトにはどのような変化が起きるのでしょうか。
過去に自己申告により時給を上げることに成功したアルバイトについて、店長からの報告や本人の意見を参考に紹介していこうと思います。
やる気が出る
1000円から1400円に時給を上げた、Aくん。
Aくん 誰にも負けないくらい、一生懸命働きます。笑顔で接客することを意識し、これからは更にお客様の気持ちを考えて行動するようにします。なので、今月から時給1400円にしてください。
店長 正直大反対です。普段からあまり仕事に集中している様子はなく、やる気を感じられません。
最初は在籍している店長に、散々の言われようで大反対されていたAくん。
Aくん 今思えば、なんでそんな強気なことが言えたのか分かりません。正直アルバイトなんてちょっと小遣い稼ぎできれば良いや!くらいにしか考えていませんでした。
そんなAくんですが、現在は在籍しているお店のホールリーダーにまで成長しています。
Aくん 時給を上げてもらったことにより、今までの考え方じゃいけない。せっかく上げてもらった時給を自分の行いのせいで下げるわけにはいかない。と、やる気がみなぎってきました。
店長 時給を上げてすぐ、ビックリするくらいの変化が起こりました。何をするにも全力で、接客についてもどうすればお客様のためになるか、など自分で考え行動するようになり、やる気を感じることができました。今ではAくんの時給に納得しています。
Aくんのようなアルバイトは多くいます。
今までは小遣い稼ぎ程度に思っていた仕事を、時給が上がったことにより真剣に取り組めるようになったのです。
もちろん結果が伴わなければ、こちらの判断で時給を下げることもあります。
せっかく時給を上げたんだから、下がらないようにしよう!という気持ちが、やる気に繋がったのでしょう。
新しいことに挑戦する
1200円から1550円に時給を上げた、Bくん。
Bくん ホールリーダーとして、アルバイト全員の代表として責任を持った行動をとります。今以上に自分で考え行動し、これからは更に今までできなかったことにも挑戦していきたいです。なので、今月から時給1550円にしてください。
ホールリーダーに任命されたことから、時給を上げることを自己申告してきたBくん。
Aくんとは違い、店長や他の社員も大賛成でした。
店長 Bくんは、アルバイトの中で誰よりも頑張ってくれています。大賛成です。これからもお店のために頑張ってほしいです。
Bくん 期待されていることは、自覚していました。自分のステップアップのためにも少し強気な時給に設定することで、自らを奮い立たせようと考えました。
そんなBくんからある日、電話がかかってきました。
Bくん 今までは店長がしていたことなのは分かっていますが、ホールアルバイトのシフト管理をしてみたいです。
店長に確認するとぜひ任せてみたいとのことで、現在はホールリーダーとしての業務とは別に、シフト管理までこなしています。
店長 時給を上げたことにより、「自分はこの時給に見合う仕事をしているか」と考え、新しいことに挑戦しようと思ったそうです。自分で考え、新たな仕事を生み出し、自分でもやりがいを感じているみたいです。これからのBくんには更に期待しています。
すでに周りは満足する仕事をしているアルバイトは、新しいことに挑戦して更に自分のレベルを上げようと努力するようになったのです。
新しい仕事を自ら生み出し、挑戦することで、今まで以上に周りに認められ、責任感ややりがいが芽生えたのでしょう。
自ら考え、レベルアップしようとする姿勢は、周りにも影響を与えます。
わたしの担当店舗の中でBくんの在籍するお店が圧倒的にリピート率が高いのは、Bくんのおかげと言っても過言ではないかもしれません。
意識を変える工夫、評価する大切さ
「アルバイトの意識が低くて困っている」
飲食店を経営している知り合いから、よく聞く話です。
実際この制度を導入していても、最低時給でやる気がないままダラダラ働いているアルバイトも少なくないです。
(人手不足の中、働いてくれているだけでも感謝しなくてはならないのかもしれませんが…)
でも、そんなアルバイトの中にも時給が上がることにより意識が変わる子は多くいます。
意識が低い=意識を変える工夫や努力がない
ということなんです。
こちら側の要求ばかりで、本人がやりがいや責任を感じれるような努力をこちら側がしていないのであれば、アルバイトの意識なんか変わるはずがないんです。
そして、意識が高くやる気があるアルバイトは、他のアルバイト以上に評価されるべきです。
「こんな態度で働いている子と時給が一緒なんて納得できない」
「自分は他の子以上に一生懸命働いているのに、他のアルバイトと時給が一緒なんて納得できない」
こんな理由で一生懸命働いてくれているアルバイトが、他の時給の高い店に流れるなんて勿体なさ過ぎます。
面接で、「今まで働いていたお店は、自分の頑張りを評価してくれなかった」という話はよく聞きます。
評価を表す方法としては時給を上げるだけではなく言葉だったり行動だったり、様々な方法があるとは思いますが、一番目に見てわかる評価の仕方は時給だと思います。
「これだけの時給を払うほど、会社はあなたを評価している」
そう思ってもらうことは、更に本人のやる気にも繋がります。
いかがでしたか?
わたしもこの制度を導入しようとしていたとき、
「そんなことする必要がない」
「実力以上の時給を与える必要はない」
「考えていることの意味がわからない」
「これだから若い奴は…」
周りの社員にはバカにされたり批判されたり、すごく大変な思いをしました。
でも、社長に「どうしてもこの制度を導入したい。」と頭を下げた時、
「俺は黙って金を出す。お前を含め社員、アルバイト全員のスポンサーなんだ。お前は自信があるんだろ?俺はお前を認めて今のポジションを与えたんだから、好きにしてみればいい。失敗した時のことは、失敗してから考えろ。」
という言葉のおかげで、絶対成功させたい、この人の期待を裏切りたくない。と更にやる気が出たのを覚えています。
評価されることの大切さや嬉しさを、自分の身をもって体験しました。
同じように評価されることに嬉しさを感じ、やる気に繋がってくれるアルバイトが増えることがわたしの今の楽しみです。
なんか熱く語り過ぎたかもしれない。最近天気悪くて、寒い日が続いてるから良いか!(笑)
以上、mio(mio (@miolog_) )でした。